間に合わん
授業期間中だろうが夏休みだろうが、延々と講義資料ばかり作っている気がします。それなのに、Web 上のものでも find public_html -type f | wc -l で 7240, find public_html -type f -name '*.html' | wc -l で 1993, du -s -k public_html で 635184 くらいしかありません (1万ファイル / 1GB は突破していると思ったんだけどな)。これには、この blog や研究室のホームページなんかは含んでませんけど、量の割に全然管理できてません。もう何がなんだかわかりません。何をするにも時間がかかりすぎます。
頂点の順序
図のような立方体を線で描くことを考えます。この図形は 8 個の頂点と 12 本の稜線で構成されています。

GL_LINE_STRIP や GL_LINE_LOOP は折れ線を一筆書きの要領で描きますから、このような図形を描くためには、同じ稜線を 2 回描く必要があります。一方これを GL_LINES で描こうとすれば、線分ごとに始点と終点を指定する必要がありますから、頂点が 8 個しかないのにもかかわらず、24 個の頂点データを用意する必要があります。glDrawArrays() は頂点データだけを使って図形を描画するので、頂点データを図形を描く順序に合わせて並べておく必要があります。
図形データ
CAD などの図形を扱うアプリケーションでは、図形データを頂点位置などの幾何情報 (計量情報) と、どの頂点を結んで線分や面を描くかといった位相情報の組み合わせで表す場合があります。このとき、位相情報は座標値データを指す指標 (添え字やポインタ) で構成されます。このようなデータでは、glDrawElements() を用いれば、頂点のデータ数を減らすことができます。

これらのデータ量を比較します。整数・実数ともに 4 バイト使用するとき、glDrawArrays() の方は $4 \times 3 \times 24 = 288$ バイト、glDrawElements() の方は $4 \times 3 \times 8 + 4 \times 2 \times 12 = 192$ バイトになります。頂点に法線ベクトルなど位置以外の情報を与えた場合は、この差はもっと大きくなります。
頂点バッファオブジェクトの準備
glDrawElements() を使って図形を描画します。これには2つのバッファオブジェクトが必要になります。変数 buffer を2つの要素の配列に変更します。
...
/*
** attribute 変数 position の頂点バッファオブジェクト
*/
static GLuint buffer[2];
...
バッファオブジェクトを参照するポインタも2つ用意します。Edge 型は線分の始点と終点の座標値を指す整数型の指標です。このほか、今度の図形の頂点位置は3次元なので、Position 型の要素数も 3 に変更しておきます。
...
/*
** 初期化
*/
static void init(void)
{
/* シェーダプログラムのコンパイル/リンク結果を得る変数 */
GLint compiled, linked;
/* 頂点バッファオブジェクトのメモリを参照するポインタ */
typedef GLfloat Position[3];
Position *position;
typedef GLuint Edge[2];
Edge *edge;
...
最初にバッファオブジェクトを2つ作ります。変数 buffer は配列に変更したので、頭についていた & は取り去ります。
...
/* uniform 変数 projectionMatrix の場所を得る */
projectionMatrixLocation = glGetUniformLocation(gl2Program, "projectionMatrix");
/* 頂点バッファオブジェクトを2つ作る */
glGenBuffers(2, buffer);
一つ目の頂点バッファオブジェクト buffer[0] を指定して、頂点バッファオブジェクトに8頂点分のメモリ領域を確保します。glBufferData() の第3引数に NULL を指定しているので、ここではデータの転送を行いません。
/* 頂点バッファオブジェクトに8頂点分のメモリ領域を確保する */
glBindBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, buffer[0]);
glBufferData(GL_ARRAY_BUFFER, sizeof (Position) * 8, NULL, GL_STATIC_DRAW);
頂点バッファオブジェクトの座標データのメモリをプログラムのメモリ空間にマップして、その先頭のポインタを得ます。そして、そのポインタの指す場所に頂点の位置データを格納します。
/* 頂点バッファオブジェクトのメモリをプログラムのメモリ空間にマップする */
position = (Position *)glMapBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, GL_WRITE_ONLY);
/* 頂点バッファオブジェクトのメモリにデータを書き込む */
position[0][0] = -1.0f;
position[0][1] = -1.0f;
position[0][2] = -1.0f;
position[1][0] = 1.0f;
position[1][1] = -1.0f;
position[1][2] = -1.0f;
position[2][0] = 1.0f;
position[2][1] = -1.0f;
position[2][2] = 1.0f;
position[3][0] = -1.0f;
position[3][1] = -1.0f;
position[3][2] = 1.0f;
position[4][0] = -1.0f;
position[4][1] = 1.0f;
position[4][2] = -1.0f;
position[5][0] = 1.0f;
position[5][1] = 1.0f;
position[5][2] = -1.0f;
position[6][0] = 1.0f;
position[6][1] = 1.0f;
position[6][2] = 1.0f;
position[7][0] = -1.0f;
position[7][1] = 1.0f;
position[7][2] = 1.0f;
/* 頂点バッファオブジェクトのメモリをプログラムのメモリ空間から切り離す */
glUnmapBuffer(GL_ARRAY_BUFFER);
/* index が 0 の attribute 変数に頂点バッファオブジェクトの場所と書式を設定する */
glVertexAttribPointer(0, 3, GL_FLOAT, GL_FALSE, 0, 0);
/* 頂点バッファオブジェクトを解放する */
glBindBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, 0);
頂点情報は3次元の座標値に変更したので、glVertexAttribPointer() の第2引数に指定するデータの要素数は 3 に変更します。
次に、二つ目の頂点バッファオブジェクト buffer[1] を指定して、頂点バッファオブジェクトに12稜線分のメモリ領域を確保します。glBindBuffer() や glBufferData() の第1引数には GL_ELEMENT_ARRAY_BUFFER を指定します。
/* 稜線のデータ型 */
typedef GLuint Edge[2];
/* 頂点バッファオブジェクトに12稜線分のメモリ領域を確保する */
glBindBuffer(GL_ELEMENT_ARRAY_BUFFER, buffer[1]);
glBufferData(GL_ELEMENT_ARRAY_BUFFER, sizeof (Edge) * 12, NULL, GL_STATIC_DRAW);
そして、頂点バッファオブジェクトの指標データのメモリをプログラムのメモリ空間にマップして、その先頭のポインタを得ます。そして、そのポインタの指す場所に線分の両端点の座標値を指す指標データを格納します。
Edge *edge = (Edge *)glMapBuffer(GL_ELEMENT_ARRAY_BUFFER, GL_WRITE_ONLY);
/* 頂点バッファオブジェクトのメモリにデータを書き込む */
edge[ 0][0] = 0;
edge[ 0][1] = 1;
edge[ 1][0] = 1;
edge[ 1][1] = 2;
edge[ 2][0] = 2;
edge[ 2][1] = 3;
edge[ 3][0] = 3;
edge[ 3][1] = 0;
edge[ 4][0] = 0;
edge[ 4][1] = 4;
edge[ 5][0] = 1;
edge[ 5][1] = 5;
edge[ 6][0] = 2;
edge[ 6][1] = 6;
edge[ 7][0] = 3;
edge[ 7][1] = 7;
edge[ 8][0] = 4;
edge[ 8][1] = 5;
edge[ 9][0] = 5;
edge[ 9][1] = 6;
edge[10][0] = 6;
edge[10][1] = 7;
edge[11][0] = 7;
edge[11][1] = 4;
/* 頂点バッファオブジェクトのメモリをプログラムのメモリ空間から切り離す */
glUnmapBuffer(GL_ELEMENT_ARRAY_BUFFER);
/* 頂点バッファオブジェクトを解放する */
glBindBuffer(GL_ELEMENT_ARRAY_BUFFER, 0);
}
...
図形の描画
図形を描画する際は、頂点バッファオブジェクト buffer[0] と指標の頂点バッファオブジェクト buffer[1] を有効にします。
/*
** 画面表示
*/
static void display(void)
{
/* 画面クリア */
glClear(GL_COLOR_BUFFER_BIT);
/* プログラムオブジェクトを適用する */
glUseProgram(gl2Program);
/* 投影変換行列の uniform 変数 projectionMatrix に変換行列の値を設定する */
glUniformMatrix4fv(projectionMatrixLocation, 1, GL_FALSE, projectionMatrix);
/* 頂点バッファオブジェクトとして buffer[0] を指定する */
glBindBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, buffer[0]);
/* index が 0 の attribute 変数を有効にする */
glEnableVertexAttribArray(0);
/* index が 0 の attribute 変数に頂点バッファオブジェクトの場所と書式を設定する */
glVertexAttribPointer(0, 3, GL_FLOAT, GL_FALSE, 0, 0);
/* 頂点バッファオブジェクトの指標として buffer[1] を指定する */
glBindBuffer(GL_ELEMENT_ARRAY_BUFFER, buffer[1]);
そして、glDrawElements() を使って図形を描画します。
/* 図形を描く */
glDrawElements(GL_LINES, 24, GL_UNSIGNED_INT, 0);
/* index が 0 の attribute 変数を無効にする */
glDisableVertexAttribArray(0);
void glDrawElements(GLenum mode, GLsizei count, GLenum type, const GLvoid *indices);- 指標を介して頂点情報を指定して図形を描画します。
modeには描画する基本図形の種類を指定します。countには描画に用いる頂点数を指定します。typeには指標のデータ型を指定します。GL_UNSIGNED_BYTE,GL_UNSIGNED_SHORT,GL_UNSIGNED_INTのいずれかが指定できます。indicesには指標データが格納されている場所を指定します。頂点配列の場合は配列のポインタを指定し、頂点バッファオブジェクトの場合はバッファオブジェクトのメモリの先頭からの位置を byte で指定します。
最後に、頂点バッファオブジェクトを2つとも解放します。
/* 頂点バッファオブジェクトを解放する */
glBindBuffer(GL_ELEMENT_ARRAY_BUFFER, 0);
glBindBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, 0);
/* 固定機能に戻す*/
glUseProgram(0);
glFlush();
}
バーテックスシェーダの修正
あと、座標値を3次元に変更したので、バーテックスシェーダも修正する必要があります。attribute 変数 position のデータ型を vec3 に変更し、gl_Position に代入する際に追加していた z 座標値の 0.0 を取り除いてください。
#version 120
// simple.vert
invariant gl_Position;
attribute vec3 position;
uniform mat4 projectionMatrix;
void main(void)
{
gl_Position = projectionMatrix * vec4(position, 1.0);
}
これで下のような図形が描かれれば OK です。
